- 営業に配属されたけど、メンタルが弱いから病んでしまわないか心配
- 営業はメンタルが強い人の仕事だから、自分には向いていない
何年も営業として働きながらも、このような悩みを抱える営業マンは非常に多いです。
でも私は「営業はメンタルが強くないとできない」というのは間違った考え方だと思っています。
ここで簡単に自己紹介ですが、私は過去、日経大手で働き、外資系コンサルティングファームでも働いていました。そして私はコンサルを適応障害になったことをきっかけに辞めています。
精神疾患を経験しているため、一般的にはメンタルが弱い部類に入ると思います。しかし今私は営業で独立し、かつ一人で妻と子どもを養っています。このことから、皆さんの考えるメンタルの強さと、営業の向き不向きは異なっている、とわかるかと思います。
この記事では、私の考える営業として必要なメンタルの強さと、メンタルの弱さに悩んでいる人が今日から取り組むべきことをご紹介します。
営業に必要なメンタルは決して先天的なものではありません。是非この記事を読んで、楽しく営業ができるように行動を始めてください。
【重要】メンタルが弱くても営業マンとして活躍はできる
大前提として、メンタルが弱いと思っている人でも営業マンとして活躍することは十分可能です。
このメンタルが弱いと”思っている”という部分が重要で、そもそもメンタルが弱い人はいないと思っています。
メンタルが弱いではなく、ストレスコントロールの仕方を知らない、というだけです。今この記事を読んでいる、メンタルの弱さで悩んでいる営業マンはどうか安心してください。あなたはそのメンタルが弱いと思っている状態から、必ず変わることができます。
まずはメンタルと営業の関係性やメンタルが弱い/強いとは、という点からご説明いたします。
【経験談】適応障害になった後でも営業として独立できている
最初にも書いた通り、私は適応障害になった経験がありますが、今は営業として独立して働いています。
適応障害とは精神疾患の一つです。精神疾患を患ったことがある=メンタルが弱い、そのようなイメージがあるかと思います。ただそんな私でも、皆さんがメンタルの強さが必要だと考えている「営業」で独立できています。
また、この独立や今の仕事に対してネガティブな気持ちは一切なく、楽しく、幸せに、仕事も人生も謳歌できています。
もちろん、適応障害になっていた頃の自分ではこのような状態にはなれなかったと思います。私自身がメンタルが弱いと思い込んでいた状態から脱却した方法は後述するので、是非最後まで読み進めてください。
精神面に関する不安を払拭できれば、営業の本質的な楽しさと向き合えます。向き不向きはそれから考えましょう。
なぜ営業マン=強いメンタルというイメージがあるのか
営業マンに強いメンタルが必要だと思われている、ということはイコール、それだけ営業がきつい仕事だと思われているということです。
営業のイメージといえば以下のようなものが多いかと思います。
- 24時間365日働き、休日でもお客様対応が発生する
- 厳しいノルマを課せられて、達成できないと詰められる
- 毎日煙たがられながら営業をするので精神的に辛い
確かにこのような厳しい環境で行う営業もありますが、それが全てではありません。
これは営業という職種に起因する問題ではなく、あなたの会社とあなた自身の営業スタイルに起因する問題です。
よってこの記事で紹介する正しい思考方法を身につけた上で、あなたが働きやすい環境とスタイルを見つけていけば、営業があなたの天職になる可能性も秘めています。
営業が辛いという人のほとんどが、営業ではなく会社に問題がある場合が多いので、しっかり見極めることが重要です。
メンタルが強い人とはどのような人なのか
メンタルが強い人=失敗しても気にしない人や、落ち込まない人、というようなイメージがあると思いますが、そのイメージは概ね正しいです。
また、この感覚の中にいわゆるメンタルの強い人になるためのヒントが隠されています。
それはメンタルが強く見える人は、何も気にしない人です。要するに、あなたがストレスだと感じることに対して、ストレスに感じない人、ということです。さらに言えば、あなたと同じようにストレスを感じれば、メンタルが強いと思っている人もあなたと同じようにダメージを受けます。
人間の心の強さに大きな差はなく、ダメージを負わないようにする技術に差があるのです。
営業は心にダメージを受ける可能性が高い職業です。だからこそ、そのダメージを受け止めるのではなく、ダメージだと感じないようにすることが、楽しく働き、かつ成果を上げるために必要な能力なのです。
メンタルが弱いと思い込んでいる営業マンの特徴
自分はメンタルが弱い、と思い込んでいる人には似たような特徴があります。
心に受けるダメージを減らす方法を身につけるためにも、まずはなぜ自分が心にダメージを負いやすいのかを知ることが重要です。自分を客観的に分析することで、改善するための糸口を見つけることができます。
一点お伝えしたいのは、これらの特徴に当てはまったとしても、それはあなたの短所ではありません。あくまであなたの性格、個性であり、上手く付き合い、時には伸ばしていくことも大切なものです。当てはまったとしても、何も問題ないので、客観的に理解することに努めてください。
完璧主義
何事も完璧に、一つのミスもなくやり切らないと気が済まない人です。
完璧主義というと、無敵超人、自信満々のようなイメージがあるかもしれませんが、実は大きなリスクを抱えています。
本当にミスなく全てを行える人が仮にいれば、落ち込むことなく進むことができます。ただ営業はそうはいきません。お客様相手の仕事のため、必ずミスやうまくいかないことが発生します。
その時、完璧主義の方は自分を責めてしまい、心にダメージを負ってしまうのです。
営業は人間と行う仕事のため、コントロールできないことも多いです。それを完璧にしようとするのは精神的に追い詰められる原因となります。
真面目すぎる
何事も真面目に、清く正しくあろうとする人も傷つきやすい特徴があります。
営業をしていると、時には決められたルールから飛び出すことも必要になります。ルールを守ることは大切ですが、それと同時にルールを作り変えられる胆力も営業には必要です。
一方で真面目すぎる性格の人はルールを遵守するあまり、柔軟な対応ができないことが多いです。周りはルールを破ることで成績を上げるため、真面目にやっているのに報われない、そこに対する葛藤で自分を追い詰めてしまいます。
失敗を極度に恐れる
営業に失敗はつきものですが、そこをうまく割り切れない人は心にダメージを負いやすいです。
全てのお客様、全ての案件に全力で挑戦すること自体は素晴らしことですが、失敗については真正面から全力で受け止める必要はありません。そもそも営業の成約率は3割程度が平均と言われており、運の要素も多分に含まれています。だからこそ本来であれば、運が悪かったと開き直ることも必要なのです。
しかしながら失敗を恐れる人は、常に恐怖が頭をよぎり、失敗した際には運の要素ですらも自分のせいだと考えてしまうため、徐々にダメージが重なっていきます。
自分に自信がない
営業は自分や自分の商品、あるいは自分の会社に絶対的な自信が必要です。
これには2つの理由があります。
- 自信のない商品を勧められて購入するお客様はいない
- 自分の能力や、やり方に、ある程度自信がないと、失敗した時に自己否定をしてしまう要因になる
しかしながら実績がないなどの理由で自信を持てない人が数多くいます。そういった人は、自信がないためうまくいかず失敗し、また自信をなくす、そういった負のループに入ってしまっています。
そして自分の全てを否定してしまうため、性格も内向的になり、人と話すのが嫌いになってしまいます。
メンタルが弱いと思い込んでいる営業マンが取り組むべきこと
ここまでお伝えしたとり、人の心はダメージを負うと等しく弱っていきます。よって心を強くする努力をしてもうまくいきません。あなたが行うべきは、ダメージを受けづらい思考の習慣を身につけることです。
そして何度もお伝えしますが、性格を変えるのではなく、ダメージを受けづらい習慣を身につける、という点を意識してください。あなたの性格や個性はあなただけの素晴らしいものです。よって短所は補い、長所を伸ばせるようにすれば問題ありません。
【おすすめ】嫌われる勇気を読み、実践する
「嫌われる勇気」は本当におすすめで、全ての営業マン必読の一冊だと思っています。
実践がしやすくわかりやすい方法で書かれており、読んだその瞬間からあなたの思考を変えてくれます。
私がその中で最も役に立った考え方は、「課題の分離」という考え方です。私はこの考え方のおかげで適応障害から立ち直ることができました。そして今もこの考えは私が営業マンとして働く上で必要不可欠なものとなっています。
課題の分離とは何か事象が発生した時、自分の問題と、相手の問題に分けて考える、ということです。そして自分の問題にのみ集中し、自分がコントロール可能な範囲外の事柄については気にしないようにする思考方法を指しています。
私自身、精神疾患を患っていた際には、全て自分が悪いと思い込み、心が削られていました。この考えを身につけたことで、今は自分の心を守りながら働くことができています。
悩みを書き出す
突拍子もないことに聞こえるかもしれませんが、悩みを紙に書くことで、自然と悩みが解消します。
これだけ聞くと、「そんなバカな」と思うかもしれませんが、是非一度取り組んでほしいと思っています。
人は悩む時、実はたくさん考えているようで、ほとんど考えられていません。同じようなことをぐるぐる考え、全く前に進まない時間を過ごしているだけです。
ただタチが悪いのは、悩んでいる人は考えているつもりになっているため、この事実に気づきません。そのため、紙に書き、視覚化することで、頭の中で行われている議論を前に進めることが重要なのです。
パソコンなどに打ち込むこともいいですが、個人的には、手を動かしながら紙にかき、納得したら破って捨てる、という方法がストレス発散にもなりおすすめです。
0秒思考も取り入れると、頭がスッキリして心も軽くなります。ただやり方は自由なので、一番悩みを吐き出せる方法を模索してください。
目標を明確にする
目標を明確にすることで、あなたは目の前の失敗を気にすることがなくなります。
ここでいう目標は長期的な目標のことです。内容はあなたの仕事に関することでもいいですし、プライベートなことでも構いません。あなたの仕事を、その目標への道として意味付けすることが重要です。
目の前の失敗にクヨクヨする人は、長期的な目線で仕事を捉えられていない人が多いです。今あなたがした失敗は、将来の目標を達成する上で必要な経験と割り切ることが重要です。
後悔ではなく反省をする、言葉でいうのは簡単ですが、実践するためには長期的な目標設定が必要不可欠です。
小さなゴールをいくつも用意する
自信を持つためには、成功体験を積み上げる、ということが最も効果的な方法です。
自信がないから営業がうまくいかないのに、成功体験を積み上げるなんて無理だ、と考える人がいますが、これは私の意図と反しています。
私は受注という大きな成功までの、小さなセルフノルマの設定をし、それをクリアしていくことで成功体験を擬似的に積むことをお勧めしています。ビジネスで使われる表現を使うと、KGIだけでなく、KPIを意識する、ということです。
例えば、本当に新人であれば、メールをお客様に送信する、だけでも目標設定としてはOKです。最初の一歩を踏み出せた自分を褒め、その自信を持ってより大きな成功に進むことが大切なのです。
【結論】営業マンはメンタルが弱いと言われている人でも可能
何度も言いますが、営業はメンタルが弱いと言われている人でも可能です。
ただし、ダメージを受けないように、自分の心を守る術を身につける必要はります。とはいえメンタルが強い人、元からダメージを負いにくい人の方がいいと考える人はいます。しかしそんなことはありません。
そもそも私は心の強さは全員同じで、ダメージを受け流す術を持っているかの差でしかないと思っています。
営業にはさまざまなフェーズがあり、それぞれで求められる能力があります。メンタル(ストレスコントロール)もその中の一つですが、あくまで数あるスキルの中の一つでしかありません。
営業に必須の素養はメンタルではなく、人のために行動できるか
営業は究極のサービス業です。だからこそメンタルよりも、誰かのために行動ができるか、そして行動することがすきか、という点が最も大切な素養になります。
心の守り方は教えることができますが、そもそもの性格として、人に尽くすことが嫌いな人を、尽くすことが好きな人にする方法はありません。
営業を続けていく上で、そして成果をあげる上で最も重要なこの素養があれば、現時点でのストレスコントロールの技術の有無は大した問題ではありません。また、この他営業で必要な能力は後天的にいくらでも身につけることが可能です。
まとめ
自分のメンタルが弱いということを理由に、営業が向いていないと考える人には救いになる記事になっていたと思います。
とはいえやはり転職を意識する人もいると思います。まだ少しでも迷いがある方は以下の記事を参考にしてください。
強い決意で、必ず転職をする、と決めている方は、以下の記事もおすすめです。
この記事の内容を実践する、あるいは転職に向けて動くなど、何かしら後悔しないための行動を起こしてください。
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