【営業×AIDMAの法則】顧客の購買行動を理解し、受注率を高める方法を解説!

買い物をする人

AIDMAというフレームワークを聞いたことがある、内容も知っている、という方は多いと思います。ただそれほど有名なフレームワークにも関わらず、実務に活かすことができている人は非常に少ないです。

AIDMAは顧客の購買プロセスを指します。

Mパパ社長

AIDMAを実務に活かせない人は、なぜお客様が購入しないのか、その原因が全く分からない状態で営業しているのと同じです。

私は適応障害という地獄の日々から、「営業力」だけで独立し、これまで家族を私の稼ぎだけで養ってきました。しかし、最初から営業力があったわけではなく、心理学、マーケティング、行動経済学など、様々な角度で営業を学び、取り組んできたからこその今があります。

そこで今回は、マーケティングフレームワークの一つである、AIDMAを営業活動に活かすことで、あなたが適切なタイミングで、適切なアプローチができる方法を解説します。

この記事を読めば、「お客様の購買決定プロセスと、各プロセスであなたが行うべき営業方法」が全て分かります。

このAIDMAの考え方も、私の独立を支えた重要な要素です。これから営業力を上げたい人、いつか独立したいと考えている人は最後まで読んでください。

目次

AIDMAとは営業マン必須の、購買行動プロセスを表すフレームワーク

AIDMAとは、顧客の購買行動プロセスを説明するために使われるフレームワークのひとつです。

1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱されたと言われています。

顧客の消費行動・顧客心理を意味する5つの言葉から構成されており、それぞれの言葉が顧客の購買プロセスを表しています。これらの頭文字をとってAIDMAと呼ばれています。具体的には以下がAIDMAを構成する5つの要素です。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心/興味)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

自分が何かを購入する時をイメージしてもらえると、より理解しやすくなります。

  • あなたがデパートを歩いていると、ある商品に気づきました(Attention)。
  • 商品のポップを見ていると、その機能に魅力を感じ、興味を持ってきました(Interest)。
  • そして興味本位でお店に入ったつもりが、店員さんに接客されると、だんだんとその商品が欲しくなってきます(Desire)。
  • ただその日は購入せずに帰りました。しかし2〜3日後に偶然商品のチラシが入っており、その商品を思い出しました。。(Memory)。
  • そしてとうとう我慢ができず、その商品を買いに行きました(Action)。

商品購入までのプロセスを体系的に知ることで、なぜ購入に至ったのかを知ることができます。

例えば、私が商品に気づいていない状態で店員さんに詳しい説明をされても欲しいとは思わなかったかもしれません。
また、欲しいと思っていない状態でチラシをもらっていつものようにゴミ箱に入っていたでしょう。

Mパパ社長

適切なタイミングで、適切なアプローチをすることが、お客様を購買に導きます。

AIDMAと比較され易い営業フレームワーク

AIDMAの話をすると、AIDMAはもう古い、今は「AISAS」の時代だ、と言われることが多々あります。

これはネットショッピングやSNSの普及によって、顧客の購買行動が大きく変わったことに起因します。

顧客の購買行動が変われば、顧客の心理も変わります。それによって新しフレームワークがどんどん生まれているのです。

その中でも有名なものをいくつかピックアップして紹介します。

AISASはネットショッピングの発展と共に提唱された購買行動プロセスのフレームワーク

AISASとは、AIDMAの法則を基に、インターネットが普及した時代に合わせて考えられた購買行動プロセスを表すフレームワークです。主にネットショッピングのような、インターネットを通じた商品、サービスの購入に適した考え方です。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心/興味)
  • Search(検索)
  • Action(購買)
  • Share(情報共有)

このようにSearchやShareといった、インターネットならではの購買行動プロセスが含まれています。

ネットで買い物をする際、たった一人の意見を参考にするのではなく、様々な意見を基に判断をします。対面営業や店頭販売などではその人の意見で買う、と言うパターンがありますが、ネットで誰か一人の意見を参考に買うことはありません。

また、購入した後には、SNSで感想を共有するのが主流です。ポジティブな感情もネガティブな感情も全員と共有する、と言うのが今の購買体験のゴールになっています。

AISCEASはAISASのプロセスをより細分化したフレームワーク

AISCEASとは、AISASと同様に、インターネットが普及した時代に合わせて考えられた購買行動プロセスを表すフレームワークです。

内容的にはAISASとほぼ同じで、Searchのステップに関して、なぜ検索をするのか、と言う部分が詳しく書かれている点が特徴となっています。具体的な内容は以下の通りです。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心/興味)
  • Search(検索)
  • Comparison(比較)
  • Examination(検討)
  • Action(購買)
  • Share(情報共有)

このようにComparison(比較)とExamination(検討)のプロセスが含まれています。そもそもなぜ人は検索するのか、それを具体化したのがこのステップになります。

ではAISASよりも細かくステップ設定されているAISCEASの方が優れているのかというと、そうではありません。ステップを細かくても、各ステップ毎にアプローチする方法を持たなければ、ステップを細かく分ける意味はありません。

ここは本人の業務に左右される部分なので、うまく使い分けることが大切です。

AMTULはライフタイムバリューを考慮した、購買行動プロセスのフレームワーク

AMTULは、AIDMAと比べて継続購入が大切な商品やサービス、あるいは顧客ロイヤルティが重要な商品やサービスに合わせて考えられたフレームワークです。具体的な内容は以下の通りです。

  • Awareness(認知)
  • Memory(記憶)
  • Trial(試用)
  • Usage(本格的使用)
  • Loyalty(ブランド固定)

AIDMAが購入してもらう(Action)までがゴールだったのに対し、AMTULではその後の継続購入まで見据えた内容となっています。

一度の購入ではなく、LTV(ライフタイムバリュー)を重視した考え方だと言う点が特徴的です。

AIDMAが最も営業に適したフレームワーク

ただ私は、現代でもAIDMAが最も営業に適したフレームワークだと思っています。

理由は大きく以下の2点です。

  • シンプルでお客様を各ステップに分けやすい
  • 各ステップのお客様へアプローチする方法が明確

営業は基本的には現場勝負のため、複雑なロジックは好まれません。かつその場で営業担当にできることがなければ、せっかく購買行動を理解しても無意味です。

その点では様々に派生した顧客購買プロセスのフレームワークの中で、AIDMAが最もシンプルかつ有用となっています。

Mパパ社長

業務で活かすことのできるフレームワークを理解することが大切です。机上の空論をいくつ持っていても、結果には結びつきにくいです。

AIDMAを営業やマーケティングに活かす方法

具体的にAIDMAを実務でどのように利用することができるのか、ここでは3つの例をご紹介します。

フレームワークは知っているだけでは意味がありません。ぜひ当てはまる業務を行なっている方は、AIDMAを業務の中に取り入れてみてください。

顧客の購買プロセスに合わせた適切な営業活動を行う

私が最も強くお伝えしたいのは、AIDMAを営業活動に取り入れることで、劇的に受注率がアップする、と言うことです。

なぜなら、お客様の購買行動を理解することで、購入するステップまでスムーズに迷いなく、お客様を案内することができるからです。もし購買行動を理解していない場合、同じ場所で足踏みしている、あるいはステップを飛ばしてしまい離脱するなどの可能性が高いです。

例えば、営業を進める中で、お客様が盛り上がっている、あるいは興味がなさそうなど、様々なシチュエーションが存在します。そんな中で、お客様は今どのステップにいるのかによって、自分の行動を変える必要があります。

例)お客様が盛り上がっている時

この時営業マンは、お客様がInterest(興味)なのか、Desire(欲求)なのかを考える必要があります。

盛り上がっている=欲しい(欲求)と勘違いすると、ただの興味のお客様を逃す可能性があります。

逆に興味と欲求の違いを正しく認識できていれば、欲求のステップまでお客様を誘導することができます。

お客様のステップをしっかりと意識することで、失注のリスクを下げることができるのです。

Mパパ社長

お客様の状況を正しく理解することが、正しいアプローチへの第一歩です。

ペルソナ設定に具体性を持たせる

お客様のペルソナを設定する際に、AIDMAを利用することでより具体性を持たせることができるようになります。

ペルソナは主にマーケティングで利用される考え方ですが、簡単にいうと「自分の商品を使うお客様をリアルに想像する」ことを指します。この時、年齢や性別、仕事や趣味、家族構成という項目まで考慮して作成します。

このペルソナにAIDMAを利用することで、購買行動のどのフェーズにいる人か、という点を追加し、さらに具体的なペルソナにすることができます。

マーケティング施策を見直す

AIDMAを利用してペルソナを見直すことは、マーケティング施策を見直すことにも繋がります。

マーケティング施策では、どのようなお客様に向けたアプローチなのか、という点が非常に重視されます。
ここにAIDMAの視点を加えることで、お客様の属性に加えて、購買ステップに合わせた施策を講じることができます。

例えば、まだ商品やサービスを知らない人に認知をしてもらわないといけない場合、キャッチーなCMやセールスコピーが有効になります。

一方ですでにある程度興味があるお客様をターゲットにする場合、DMなどでよりパーソナルな案内を実施する必要があります。

このように、マーケティング施策を見直すことで、より確度を上げた活動にすることができます。

AIDMAを営業活動に活かし、受注率を上げる方法

では具体的にAIDMAを営業に使う方法をご紹介します。

絶対に気をつけないといけないのは、各ステップに適した行動をする、という点です。

Mパパ社長

行動自体は正しくても、タイミングが間違っていれば、その行動はマイナスに働きます。

ここでは実際に私が気をつけていることや実践していることを中心にお伝えします。あなたの営業とは異なる部分もあるかもしれませんが、一例としてぜひ参考にしてみてください。

Attention(注意):商品やサービスの存在を認知してもらう

このステップではお客様に商品やサービスの存在を認知してもらう必要があります。

この時重要なのは、「短く簡潔、分かりやすい説明」です。ここでは商品の存在を認知してもらうことが重要なのであって、細かい機能や特徴などの情報を理解してもらう必要はありません。

あなたが何も興味のない商品の説明を長々とされるとどのように感じるでしょう?
おそらく拒否感しかないと思います。

商品説明は営業をする上で必ず発生しますが、このステップではないということを覚えておきましょう。

Mパパ社長

焦ってステップを一気に進もうとすると失敗します。ひとつずつクリアしていきましょう。

商品やサービスについて何も知らない方への営業は、テレアポ、飛び込み営業、展示会などがあるかと思います。
この時、自社のサービス名を出して営業をしようとしている人がいますが、それでは中々興味を引くことはできません。商品の特徴を表す単語を使って、興味を引くようにしてください。

例)会計システムの営業をする場合

この時、よほどキャッチーで分かりやすい商品名でない限り、商品名では注意を引くことは難しいです。
短く簡潔に、分かりやすい言葉で説明をする必要があります。

「AIが自動で確定申告を完了するシステムです。」
というように、”確定申告”という誰もが知っている言葉と、”AIが自動で”というキャッチーな言葉を合わせるようなイメージです。

まずは知ってもらうこと、気づいてもらうことを優先する。理解してもらうは次以降のステップで大丈夫です。

Interest(関心):商品やサービスに興味を持ってもらう

このステップでは、商品を知ってもらい、「なんか良さそうだな」「話を聞く価値はありそうだな」と興味を持ってもらうことが大切です。

興味を持ってもらうためには商品のことをある程度知ってもらう必要がありますが、この時お客様に伝える商品の特徴やメリットは最大で3つまでとしてください。

人間が一度に理解できる数には限りがあります。かつこの時点ではまだ商品に気づいている段階で詳しく知りたいと強く思っているわけではありません。

先ほどの会計システムの例を使うと以下のようなイメージです。

(1)時間のかかる確定申告をAIが自動で行います。
(2)基本利用料は無料なので、幅広いお客様からご支持いただいています。
(3)クラウド型システムのため、常に最新の状態でシステムの利用をしていただくことが可能です。

相手に欲しいと思ってもらうために、ついつい喋りすぎてしまう気持ちはわかりますが、ここでも目指すのはあくまでも興味や関心を持ってもらうということを忘れないようにしてください。

Mパパ社長

知らないことが残っている方がお客様は興味を持ちます。無理に全て説明するのはデメリットしかありません。

Desire(欲求):お客様自身に商品やサービスが必要だと認識してもらう

このステップでは、お客様に商品を「欲しい、必要だ」と思ってもらうことが非常に大切です。このステップが最も営業力を試されるタイミングになります。

なぜなら、最初の2つのステップではある程度決められた内容を自分から話すことがメインでした。一方でこのステップでは相手の潜在的な課題を引き出すための”ヒアリング力”が求められます。

ヒアリング力が重要な理由は、お客様の強い欲求を引き出すためには課題の設定が必要不可欠だからです。

ここで質問ですが、どうすればお客様はあなたの商品を欲しいと思うのでしょうか?
それは以下をお客様が理解した時に初めて”興味・関心”から”欲しい、必要だ”という強い欲求に変わります。

  • その商品やサービスが、自身が抱える課題を解決するために必要
  • 他社の同じような商品やサービス、あるいは代替品よりも、自身の課題解決には適している

2つに共通する点として、お客様の課題があるため、このステップではヒアリング力が非常に重要になるのです。

Mパパ社長

商品やサービスのメリットと、お客様の課題を結びつけることが大切です。

ヒアリング力の具体的な鍛え方をここで記載するとかなりのボリュームになるため割愛します。ヒアリング力の強化に興味のある方は以下の記事を参考いただければと思います。

ここで強い欲求を感じてもらえたとしても、すぐに注文になることは少ないです。

特にB to B営業や、高額な商材であればあるほど、決定は後日に流れることが多いです。そのため、次のMemoryのステップが購買行動のステップに含まれています。

Memory(記憶):商品やサービスを欲しいと思った感情を覚えておいてもらう

このステップでは、お客様に商品やサービスを覚えておいてもらうことが大切です。

ただ私の持論としては、商品やサービスを”必要だ、欲しい”と思った感情を忘れさせないように意識した方が上手くいきます。

記憶してもらうために必要なのは定期的な商品のリマインドですが、それだと欲しいと思った感情は徐々に薄れていきます。

私が絶対に成約したい商品で使うリマインドは、その時引き出した課題感を交えながらリマインドをすることです。

例)会計システムの営業

お客様が人手不足を起因とした効率化を目指しているとします。
その場合、各イベント(月末、月初、決算など)の情報を交えながら、忙しいとさらに人手不足になるがいかがでしょうか?という問いかけをします。
そこから会計システムの話をすることで、その当時の課題感や欲しいと思った理由も一緒にリマインドすることができます。

基本的にはお客様の熱量は時間と共に下がっていくと思っておいてください。だからこそ定期的なリマインドで、欲しいという感情も思い出してもらうように行動することが大切です。

Action(行動):購入への不安を取り除き、成約に繋げる

最後のステップはお客様に購入という行動を起こしてもらうことが大切です。

当然のことながら営業の目指すべきゴールは受注です。ここに辿り着かないと何も始まりません。

ただお客様は様々なことを理由に購入を躊躇います。

  • 費用対効果が出ないかもしれない
  • 購入しても、これまでのやり方を続けてしまい、結局使わないかもしれない
  • 他にもっと方法があるかもしれない(だから今すぐはやらない)

など、様々な不安から中々購入という最後の一歩を踏み出せません。特にB to B営業の場合、自分の今後のキャリアにも影響が出る可能性もあり、リスクをとるという行動を起こし辛いです。

だからこそ、このステップでは、お客様が不安に思ったことを一つずつ丁寧に潰していく必要があります。そしてもし可能ならば、相手が考えるまでに不安に思いそうな部分は潰すのがベストです。

  • 費用対効果が出ないかもしれない→費用対効果が出ることが分かる資料を用意する
  • 購入しても、これまでのやり方を続けてしまい、結局使わないかもしれない→業務フローの作成まで一緒にやる
  • 他にもっと方法があるかもしれない(だから今すぐはやらない)→放置した場合のリスクから今やる理由を提示する

相手の背中を押すためには、まずは不安を取り除く必要があります。しっかりとお客様と向き合い、最後まで気を抜くことなくクロージングをしてください。

Mパパ社長

ここで手を緩めると、競合他社に取られる可能性があります。必ず成約に繋げるように、優先して対応しましょう。

AIDMAを営業に活かすことで、受注率は格段にアップする

AIDMAを理解し、営業活動に取り込むことであなたの営業力は格段に上がります。

営業の結果はコツを掴めばすぐに実績として現れます。ぜひ明日からの業務に今回の内容を活かしてください。

加えて、営業として自信が出た際には転職や独立など、ステップアップをしながらあなたの人生が変わるほどのお金を手に入れてください。

営業の可能性は無限大です。現状に満足せず、常に学び続けましょう。

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