- ChatGPTが話題になっているが、自分の仕事への影響がわからない
- 営業不要論がまた始まっており、営業の将来性に不安を持っている
このように新しい技術が登場した際、ワクワクする反面、自分の仕事への影響を危惧する人がいます。
特に今回新たに登場したChatGPTは多くの仕事に影響を与えると予想されており、不安な人は今まで以上に多いと思います。
私は現在、営業スキルを活かして独立をしていますが、私も新しい技術が自分に与える影響は調べています。影響というのは悪いものだけでなく、良い影響に関しても同様にあると考えています。
この記事は、以下のような悩みを持っている人に向けた内容になっています。
- 具体的には想像できていないが、なんとなく新しい技術に不安を持っている
- 営業をこのまま続けていくことが正しいのか迷っている
漠然とした不安を抱くだけでは、解決するための方法を考えることもできません。この記事を読むことで、正しく理解し、考えるためのきっかけとしてください。
知らないことが不安になる一番の要因です。まずは正しく理解することから始めましょう。
ChatGPTとはAIを利用した会話ができる技術
ChatGPTとはすごく簡単にいうと、その名前の通り、AIとチャットでコミュニケーションをとることができるツールです。
https://openai.com/blog/chatgpt
この程度であればこれまでもチャットボットなどであった、と思うかもしれないですが、レベルが全く異なります。
ChatGPTではWEB上の情報やこれまでに入力された情報を元に、こちらが指定した質問に対する回答を、自ら作成することができます。
様々な技術に応用の可能性があり、かつその質問に対する精度の高さから、AIの爆発的な進歩と捉えられています。
余談ですが、ChatGPTでは、AIに役柄を与えることで、その役にあった内容で回答をさせることも可能です。また、複数人分の役柄を設定することもできます。その結果、4人分の人格をと情報を与えれば、4人で結論を出すまでの会話を自動で行うことも可能になります。
ChatGPTが営業の仕事を代替するのか
新しい技術、特にAIの発展があるたびにしばしば、「〇〇という仕事は今後無くなるのか」というような議論が行われています。
今回のChatGPTという先進的なAI技術の出現で、将来的になくなる仕事が議論されることは当然のことです。しかしながら今回の新技術ではこれまでとは少し異なる議論になっています。
従来の議論では、主にブルーカラー(肉体労働の従事者)が新技術の台頭のたびに議論の対象になっていました。しかし今回はこれまでと違い、ホワイトカラー(頭脳労働の従事者)に焦点が当たっています。
これまでクリエイティブな作業が必要=人の力が必要と言われていた領域にまで、AIが浸透し始めている、ということです。
【結論】ChatGPTが営業の仕事を代替することはない
まず結論として、ChatGPTが営業の仕事を代替することはできない、というのが私の結論です。
私は営業という仕事を生業としているため、ポジショントークのように感じる人もいるかもしれません。
確かに、技術の発展とともに「営業不要論」はたびたび議題に上がっています。これはAIに関わらず、ビッグデータを使ったWEBマーケティングが台頭してきた時にも囁かれていました。
しかしながら、優れた営業マンの仕事は機械では置き換えできないものがあります。
ChatGPTへのインプットには営業スキルが必要
AI技術を使うためには、正しいインプットが必要であり、その正しいインプットのためには営業スキルが必要になります。
そもそもなぜ正しいインプットが必要になるかというと、AIに学習させる、という部分に起因します。
AIはネット上に存在する情報や過去に入力された情報など、様々な情報を学習しています。よってより多くの人に当てはまる、正解を出す能力は非常に優れています。
一方で、お客様固有の課題について、ピンポイントで回答をすることはあまり得意ではありません。お客様自身で情報を入力し学習させればいいと思うかもしれませんが、実はそれが非常に難しいです。
この部分に営業が必要になる大きな理由があります。実はお客様自身でも課題の特定はできていないため、AIへ正しいインプットを行うことができない=正しいアウトプットが出ない、のです。
優れた営業マンの特徴は、お客様の潜在的な課題を顕在化させ、そこにピンポイントで刺さる提案ができる点にあります。
そのため、お客様の課題特定をする、この一番重要な部分に営業が必要なため、これからも営業という仕事は必要なのです。
営業の仕事は単にものを売るだけではなく、お客様の課題の特定とソリューションをセットで提案することです。
【注意】物を売るだけの営業は代替される可能性がある
ここで注意が必要なのは、生き残っていくのは優れた営業マンのみだ、ということです。
私の考える優れた営業マンとは、お客様も意識していない潜在的な課題に気づかせ、解決に導くことができる営業マンです。
実はこの優れた営業マン像も技術の発展と共に語られてきました。
インターネットが普及するまでは、人々が得られる情報には偏りがありました。そのため商品の情報を知っているだけで、営業には価値がありました。
ただインターネット普及後は、一般的な情報であれば、みんなが等しく知っている状態になっています。よって。ただ単に商品を説明し、物を売るだけの営業は徐々に価値がなくなっています。
そしてAIが今後普及すればよりこの現象は進んでいきます。なぜなら、一般的な内容であれば、インプット情報も簡単なため、簡単にAIが回答してくれるためです。
よって先ほどもお伝えしたとおり、お客様が気づいていない潜在的な課題を発見できる、優れた営業マンのみが生き残っていくことができる世界となります。
今後も皆さんが優れた営業マンになるための知識を発信していきますので、当ブログを参考に生き残る術を身に付けてください。
ChatGPTは営業のサポートとして非常に優秀
ここまでは営業の代替となり得るのか、という視点で語ってきましたが、営業のサポート、という視点では結論が大きく変わります。
営業のサポートをするための技術としては、過去最大の進歩を遂げていると考えています。
営業活動には様々なスタイル、様々なフェーズがあります。その中でも特に、新人教育、資料としてのアウトプット、という点では大きな力になります。詳細は後述しているので、ご確認ください。
新しい技術を恐れるのではなく、積極的に取り入れる工夫をすることが、生き残る上では最も重要なスキルです。
ChatGPTに向いている営業、向いていない営業活動とは
どんなに優れた技術であっても、その技術には向き不向きが存在します。
ChatGPTという技術については、「個別カスタマイズの有無」が得意不得意に関わっている、というのが私の見解です。
【ChatGPTに向いている営業】マス向けに行う営業活動、営業の基本を習得する活動
全員に対して同じような内容を発信する、営業の基礎的な部分を習得するサポートに使う、などでは特にChatGPTを活かすことができます。
理由として、マスで発信する情報や基礎的な内容は、以下のとおりです。
- 世の中に出ていおり、誰でも入手可能な情報
- 自社情報
世の中に出ている情報を利用するのはChatGPTの得意分野ですし、自社情報であれば社内の人間であれば簡単に利用できます。
そのため、これらの情報を使って作成するものについては、ChatGPTの能力をフルに利用することができます。
【ChatGPTに向いていない営業】個別カスタマイズが必要な営業活動
個別カスタマイズが必要な営業活動では、現状のChatGPTではできないことが多い、というのが状況です。
正しくは、個別カスタマイズをするための情報を集める活動の実施やサポートが難しいです。
営業の一番重要な部分である真因の特定方法は、言語化が非常に難しいです。技術を身につけた営業マンが、論理的思考力、仮説思考力を活かして、手探りで探しているためです。
そのため、ChatGPTへのインプットが非常に難しく、人の手でやった方が効率が良くなってしまします。
ただし、後述の通り、得た情報を顧客ごとにカスタマイズされた資料にする、という作業にあたる部分では活かすことのできる可能性があります。
ChatGPTを営業活動に活かす方法
直近の情報(2024年4月)でChatGPTを活かすことができると考えられる業務は以下の通りです。
- 新人の教育、自習用として利用する
- 営業メールや、アポイントメールを作成する
- トークスクリプトを作成する
- 【番外編】提案資料を作成する
音声をテキスト化できる、テキストを音声化できる機能を使えば会話も可能になりますが、現時点では基本はテキストベースでのやり取りと思っていただいた方がいいかと思います。※まだ会話としてのスピード感が担保できるのか、という点も課題が残っています。
新人の教育、自習用として利用する
営業初心者の人が、営業としてどのように話すべきか、といった基本的な情報をChatGPTでまとめることが可能です。
営業として最初に覚えるべきことは、自社の商品を短く、端的に、かつ分かりやすく説明できるようになることです。
そしてそれは、様々な場面によって話す長さや内容が変わります。例えば、
- 全くの新規の方との取引になるのか
- 会社としての取引はあるが、あなたの担当商品は初めて買っていただくのか(クロスセル)
- あなたの紹介する商品はすでに使っていて、よりグレードの高い商品を買っていただくのか(アップセル)
このように状況によって、かつお客様の属性によって説明方法は変わります。
もちろん、お客様の事前情報だけでなく、当日の雰囲気やその日知った情報も踏まえた上での説明がベストですが、初心者がいきなりそこまでのレベルで話をするのは難しいです。
よって、この商品説明の例をChatGPTに作成してもらい準備しておく、ということが大きな意味を持ちます。
ある程度どのお客様にも話をする内容は、ChatGPTを利用してまとめておくと便利です。
営業メールや、アポイントメールを作成する
営業メールやアポイントメールを、必要な情報を分かりやすく、かつビジネスマナーに沿った内容で作成することが可能です。
記載する内容は分かっているが、上手い文章が思いつかない、という人は多いです。
そういう人はChatGPTにメールの作成をしてもらうことも一つの手となります。
トークスクリプトを作成する
ChatGPTを使うことで、トークスクリプトの作成を楽に行うことができるようになります。
ChatGPTは会話する方法として2つの方法があります。
- 相手に設定を与えて、自分と会話させる
- 2人分の設定を与えて、ChatGPT同士を会話させる
どちらも自然な会話を作成することが可能なので、トークスクリプトの基礎をその内容で作成すると作業時間を短くすることが可能です。
もちろん、直しや応用の作成など手直しがゼロではないですが、大元の部分をほぼ自動で作成ができる、かつ会話の流れとしてリアルなものを作成できるため、精度と効率共に高い作業となります。
【番外編】提案資料を作成する
将来的に、かつ他のサービスとの組み合わせは必要になりますが、提案資料の作成も自動で行うことができるようになると考えられます。
お客様の個別のニーズは把握できているものの、資料に落とし込む時間が足りない、そもそも資料にするのが苦手、という人は多いです。
営業としてはできるだけお客様と接する時間に当てたいと考えるのは当然で、そういった作業時間を減らせることには大きな意味があります。
今後はありきたりな提案書だけでなく、全てのお客様専用にカスタマイズされた提案書の作成が可能になる日も近いです。
逆に資料の綺麗さで誤魔化していた人はアドバンテージがなくなります。しっかりと営業力をつけることがより重要になります。
ChatGPTに限らず、新しい技術は営業の助けとなる
新しい技術に拒否反応を示す人は多いですが、全ての技術があなたの仕事を助けてくれる可能性があると考えましょう。
子どもの頃にドラえもんを見た時、「未来はこんなに様々なことができる世界になる」とワクワクしたと思います。
しかし現実で新し技術が生まれると、自分の仕事が奪われる心配ばかりしている人が多いです。そうではなく、
- 自分の仕事を楽にしてくれる
- そしてあなたが注力すべき仕事に充てる時間を増やしてくれる
このように考え積極的に新しい技術を取り入れることをおすすめします。
とはいえレベルの低い営業マンの仕事が減っていくことは事実です。よって以下記事を参考に、今後も長期的に活躍できる営業マンへ成長してください。
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